2004年の春に雲南省を旅したときに哈尼族(ハニ族)の村を訪れました。哈尼族はお茶と関わりの深い民族です。
1965年に南糯山で発見された樹齢800年の大茶樹は雲南省こそが茶の起源の土地であるという証明になると騒がれました。その大茶樹は「茶樹王」と呼ばれるようになり、当時の研究者はこぞって南糯山に登り茶樹王の研究をしたそうです。しかしその後、茶樹王は環境の急激な変化によってやがて枯死してしましました。
この茶樹王は樹齢こそ800年でしたが、人が栽培した茶樹のなかではもっとも古いものと言われています。(茶樹王はカメリアシネンシスです)
そしてその茶樹を栽培した民族こそが哈尼族だったのだと、哈尼族の思江さんは主張していました。(ちなみに野生の茶樹で樹齢の古いものはモン海県(モンは孟に力)の巴達山の茶樹で樹齢は1700年です。発見は1961年でこちらはカメリアタリエンシスです.
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その茶と関わりの深い哈尼族の村を訪れて茶摘みの風景を見せてもらえることが出来ました。彼女たちの衣装は哈尼族の民族衣装で普段はこんな服装で茶摘みはしないのだそうですが、訪問した時は特別にということで民族衣装を着て茶摘みをしてもらいました。
茶畑はインドやスリランカのように徹底的に管理しているようではありませんでした。茶樹の樹齢は100年を超えているものがほとんどだそうです。
昔は自分たちのお茶だけを作り、竹筒茶や土鍋茶など民族独自のお茶の飲み方をしていたそうですが、現在は商品としてお茶を栽培し「釜炒り緑茶」を作っているとのことでした。普段飲用しているお茶も釜炒り緑茶だそうです。
茶摘みの風景を撮影している時に彼女たちは歌を歌いながら茶摘みをしていました。この歌も普段歌っているのかどうかは分かりませんでしたが、その歌は哈尼族に古くから伝わる茶摘みの歌だということでした。
ガイドさんからその歌の日本語訳をしてもらったのが以下の歌詞です。
「哈尼族茶摘み恋歌」
三月に入ると里は茶摘みの季節
男も女も一緒になって
民族の新しい歌を歌います
茶摘みをしながら愛しい彼を想い出します
あなたは今どこにいますか
私はここでいつまでもあなたを待っています
私の心と愛をこの歌にのせて届けたい
遠くにいてもあなたと私は継っている
私たちは愛し合っているはず
いつかきっとすぐに逢える日がやってくる
私の帰る日を待っていてください
ラブソングみたいですね。2節目は里で彼を待っている彼女の想いが、最後の節では仕事なのか旅なのかな知りませんが村を離れている彼の想いが表現されています。
この旅は茶の原産地を巡る旅でしたが、そこで茶と共に生活してきた人々の伝統や文化に触れることができました。
これからもこの哈尼族の茶摘みの歌は彼らのアイデンティティと共に受け継がれていくのだなと思いました。